映像化で話題の本を読んでみる

小説

『人間標本』 湊かなえ

タイトル:人間標本
著者:湊かなえ
出版社:角川書店

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あらすじ

蝶の研究で知られる大学教授・榊史朗は、妻を亡くし、息子と二人で静かに暮らしている。
幼いころ、蝶の目に映る世界を想像して描いた絵を背景に、蝶の標本を作り、幼馴染の留美に贈ったことがあった。

その留美は画家となり、美しく才能に恵まれた少年たちを選び、史朗がかつて暮らしていた田舎の家に集めている。
彼らの送迎を手伝ううちに、史朗の胸にある思いが芽生えてしまう。

――この美しい少年たちは、蝶なのだ。

美しいであろう映像を想像しながら読む

映像化で話題の、湊かなえ『人間標本』を読みました。

読後の率直な感想は、「これは映像化を意識して書かれた小説だ」ということです。
極彩色とも言えるほど鮮やかな映像美が、言葉のひとつひとつから立ち上がってくる。
読んでいるあいだ中、私の頭の中ではずっと映像が流れているようでした。

読み始めたきっかけも、ドラマ化のニュースを目にしたからです。
美しい俳優陣、そして「蝶に魅せられた父親が、息子を含む6人の少年を標本にしてしまう」という衝撃的なストーリー。

これだけで終わるはずがない――湊かなえなら、必ずその奥にもう一段深い物語があるはず。 そう思って手に取りました。

正直に言うと、最初は読むのが辛かったです。
私はあまり猟奇的な描写が得意ではなく、蝶の標本も進んで見たいとは思わないタイプです。
芸術的な感性も、何かにとりつかれたように夢中になるものもない私には、到底わからない世界なのかもしれません。

ところが、史朗の独白を境に物語が一気に動き出し、気づけば強く引き込まれていました。

今から読まれる方のために詳しくは書きませんが、「これこそ湊かなえの真骨頂」と言える展開が待っています。

ぜひとも、最後まで読んでいただきたい一冊です。

湊かなえのおすすめ本

『人間標本』で興味を持った方におすすめする本

『告白』双葉社
デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラー。
我が子を亡くした女性教員の独白から始まり、語り手が変わる度にストーリーが大きく動いていく。

『高校入試』角川書店
脚本を担当したドラマを元に書き下ろした小説。
高校入試の真っただ中、次々と試験内容がネットの掲示板に載せられる。
いったい誰が犯人なのか?次々と出てくる登場人物に翻弄される。

『夜行観覧車』双葉社
高級住宅地に住むエリート一家で起こった事件を、その家族と向かいに住む家族からの視点で謎を解き明かす。イヤミスを思う存分味わえる一冊。


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※当ブログは読みやすさを優先し、敬称略させていただいております。

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