歴史小説を読んでみる

小説

中国歴史小説がおもしろい

歴史に興味ありますか?

「歴史に興味ありますか?」と聞かれたら

「ごめんなさい。あまりないです。」

と答える私が読んだ歴史小説――興味ありますか?

学生時代の社会の成績は、赤点をギリギリ回避するレベル。
人物名も年号も覚えられない。
そんな私が歴史小説を読むなんて、ちょっと意外に思われるかもしれません。

でも、読むんです。

というのも、我が家には親兄弟が購入したらしい歴史小説がたくさん並んでいました。

司馬遼太郎、井上靖、山岡荘八の『徳川家康』全巻、その他にもいろいろ・・・

テスト前になると本が読みたくなる性質の私は、必然的に家にあるそれらの本を手に取ることになります。
そして、なぜか長編の歴史小説を読み始めてしまい、ちょうど面白くなってきた頃に現実へ戻り、慌てて勉強を始めるのでした。

そんな歴史に興味がない私でも、無我夢中で読んだ歴史小説があります。

『孟嘗君』宮城谷昌光(講談社)

タイトル:孟嘗君 全5巻
著者:宮城谷昌光
出版社:講談社

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どんなストーリーか?

斉の君主の子・田嬰(でんえい)の美妾青欄(せいらん)は男児を出産しました。
しかし、5月5日生まれは不吉であるという理由で、田嬰から子を殺すように命じられます。

青欄はわが子を守るため、下人に託して密かに逃がします。
赤子は数々の縁と偶然に導かれ、やがて好漢・風洪(ふうこう)に育てられることになります。

ここまでが物語の幕開け。
青欄の子こそ、のちに「孟嘗君」と呼ばれる人物ですが、序盤はしばらく風洪を中心に物語が進んでいきます。

何気なく手に取って、夢中になった本

宮城谷作品はそれまで読んだことがなく、中国史にも疎かった私。
それなのに、文庫版が書店に積まれているのを見て、なぜか手に取ったのを覚えています。

1冊はそれほど分厚くなく、冒頭を試し読みすると意外と読みやすい。 「とりあえず1巻だけ」と買って帰ったのですが――

あっという間に読み終えてしまい、続きが気になって仕方ない。 「一括購入しておけばよかった…」と後悔し、翌日すぐに残りの巻を買いに走りました。

『孟嘗君』に夢中になった理由

物語は孟嘗君の誕生から始まりますが、最初の主人公は“風洪”です。

この風洪が、とにかく魅力的。 剣の達人で、女性にモテて、運も味方につける。
自由な考え方を持ち、頭も切れる。 女性だけでなく男性からも憧れられるような、惚れ惚れする人物です。

この段階で、読者の心はぐっと掴まれます。

風洪の活躍にわくわくしながら読み進めていると、3巻あたりでようやく“文”(のちの孟嘗君)が動き始めます。

孟嘗君の周りの人物たちも魅力的で、巻ごとに主人公が入れ替わるような面白さがあります。

実在の人物である公孫鞅(のちの秦の宰相)もその一人です。
冷徹な法家ではなく、孤独な理想家として描かれているのが印象的です。

歴史上の人物に人間味を与え、史実の空白を魅力的な創作で埋めていく。
その結果生まれるのは、わくわくする冒険物語のような歴史小説です。

そして何より、時代背景に詳しくない私でも、物語として存分に楽しめたことが大きかった。

「歴史はちょっと苦手」という方にも、『孟嘗君』は新しい扉を開いてくれるはずです。

※当ブログは読みやすさを優先し、敬称略させていただいております。

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